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zoom RSS 「カニ鍋の夜」 (三)

<<   作成日時 : 2017/01/15 17:14   >>

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海舟:「美男子どころか、近頃じゃヒラメ顔だったという説が主流のようだね」

にやりとして海舟が言った。

竜馬:「うーん、ヒラメねえ。そうかのう、どっちかちゅうたらカレイに似ているっちゃ」

一同シーンとなって沖田の顔をまじまじと見る。

沖田:「こ、こんなに見つめられるということは
    私は男にも惚れられるということなんでしょうか、近藤先生」

身のやり場に窮して、沖田はうつむいた。

土方:「労咳は七難を隠すと云われるのだ。輝く瞳に紅の唇。
    よかったな、お前は病いに救われた」
沖田:「偉そうに言わないでくださいよ」
近藤:「ま、そういう訳で、われわれ新選組の人気はますます高まるばかり。
    かの四十七士をしのぐ勢いなのです」

近藤はそり返ってひらひらと笑った。

西郷:「近藤さん、英雄を気取るのはとんだ思い違いでごあんす」
海舟:「あんたらはにっちもさっちもいかんような強情張りだったからな。
    実に取り扱いに困ったっけ」

それを聞くと土方は怒りをあらわに立ち上がった。

土方:「勝先生。我らを逆賊としてしりぞけた張本人はあなたですぞっ。
    あんたは我々を裏切り、そして見捨てたのだ!」
沖田:「またまた、この話はまずいなあ。奉行役の土方さんが逆上しちゃあどうにもならないや」
近藤:「むむむ・・・この蔑みを甘んじて受けることは出来ぬ。
    総司 挑め、俺は直心影流だけには負けたかねえっ」
え?ここで試合?…一瞬の戸惑いののち、、
咄嗟に沖田はカニの手を両手に持ち、二刀剣の構えをとった。

沖田:「勝先生、私がお相手いたします。勝負!」

海舟は直心影流仕込み、自慢の腕前だ。
こぶしを作るとぐっと沖田の目の前に突き出した。
あっと沖田は声をあげ、カニを放り出すと
「参りました!」とすぱっと手をついた。
近藤は色をなした。

近藤:「総司!戦わずして勝負を捨てるとはどういうことだ!天然理心流の名折れぞっ」
沖田「だって私はチョキなのです」

苦しそうにカニの手を拾い上げて

沖田:「勝先生のグーにはかないません」

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