桜桃忌2020

太宰治の「桜桃忌」に初墓参しました。
雨の中、若い人から高齢者までパラパラとファンがやってきては、
静かに太宰を偲んでおりました。
私も太宰好き。深刻な告白ものから、ユーモアあふれる短編まで、
引き込むうまさ、文の運びが好きなのです。
「桜桃忌」は若いころからずっと行きたいと思っていたのでやっと念願が叶いました。

ギョッとしたのは、墓石の名前にさくらんぼが埋め込まれていること。
いたずらなのか、洒落のつもりなのか?いい趣向だとは思えません。
太宰の仲間作家たちが墓前に集まっては、さくらんぼをつまみに
お酒を飲んだということで、誰が始めたものやらは不明ですが、
例年の慣習になっているそうです。
自虐型の本人はまんざらでもないかもしれない。
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初期の短編には近藤勇らしき隊士が登場する「虎徹宵話」があります。
江戸へ帰還後、茶屋の女将を相手に局長は
捨て鉢気味で自嘲満載なセリフを吐きまくります。あぁ太宰らしい。
昭和3年、太宰が高校生の時の短編。
高校生とは思えない男女のやり取りなど、ずいぶん手慣れた描写。
もう馴染みの芸者がいたというので、早熟だったですねぇ。
にしても近藤勇を題材にするとは、ちょっと意外でしたが、
当時は子母澤寛の著作が出て、だいぶ新選組の実態が世に知られたので、
それを読んだ太宰、彼らしい感性で、敗者の悲痛に惹かれたのだとも思えます。
そして、晩年、龍源寺と同じ市内に住むとはね。まぁこれは偶然でしょうが。

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